ある日、御利用者様のA様よりお話がありました。
「この前、病院で検査したら肺癌が見つかったわ。
そやけど、この歳になって今更どうしたいとか・・・
手術してまでも生きたくない。」と笑いながら話されました。
数日後、A様が来所され、少し曇った表情で、
「前に話した肺癌なぁ・・・だいぶ体に悪さしとるらしいわ。
だから、いつ何があってもおかしくないんやて。」と話されます。
以前のような笑顔はありませんでした。
A様によると病院での入院治療はせずに、自宅療養とデイサービスの利用を続けていきたいとのご希望でした。
A様は、愛の家のほかに2箇所デイサービスを利用されていました。
「3箇所いくのは体がしんどいからココだけにするわ。
ココに来るわ。皆明るくて気が晴れる。
あんたらの顔見に来るから何かあった時は頼んどくで。
ココやったら何かあっても怖くないから。」
と、先日の笑顔とは違う笑顔で話されました。
A様には私達にはわからない程の不安や怖さがあると思います。
「これ以上長生きしたくない。」という言葉をよく耳にします。
たいてい80代後半~90代前半の方が言われるので、私は
「この歳まで生きてきて、今更長生きしたくないって何か変ですよ。
ここまできたら、いけるところまでいきましょうよ。」
とありきたりなことを言います。
そして私は続けます・・・
「私は〇〇さんとまだ知り合って2年程ですよ。
まだまだ〇〇さんのこと知りたいのにぃぃぃぃ~!!」すると、
「そんなに言うてくれたらまだ来るわ。」と言ってくださり、
すかさず私は「来てくれます?良かったぁ、
うちのデイはオバケの受け入れしてないので。」と言うと、
「あんた、えらいこと言うなぁ~
まだオバケにはならんわっ!」と笑い話になります。
A様だけでなく、様々な思いを抱えておられる御利用者様。
その思いを少しでも・・・
ほんの少しずつでも、緩和し、
一緒に笑っていたいです。
この「愛の家」がお一人お一人にとって
かけがえのないものでありますように、
私達スタッフは努めていきます。
A様、私たちスタッフを良く思ってくださり、
「愛の家」を選んでくださり、ありがとうございます。
では、また来週お会いしましょう!