今年の4月で私は
訪問介護に携わって丸9年となりました。
これまで私は幸か不幸か救急搬送という場面に一度だけしか
経験したことがありませんでした。
しかし先月
担当させて頂いている利用者様を救急搬送しなければならなくなりました。
体調不良、食欲減退、浮腫・・・
毎日様子を伺いに行きましたが
どれも快方に向かわず
救急車を要請することにしました。
私が救急車を要請したことで利用者様は大変ご立腹され
救急隊員の方が来てもお断りしています。
「歳には不足がないから何が起こっても大丈夫です。
せっかく来ていただいたけれどこの通り元気ですから。
タバコだって吸っているのですから。
どうぞお帰り下さい・・・」
20分ほどのやり取りが続きました。
「食欲が無くて食べれていないから点滴を打ってもらってから
帰ってきましょう。」となんとかお願いして
やっと救急車に乗って頂くことができました。
でも利用者様は手を合わせて
「どうぞ帰ってくることが出来ますように・・・」
何度も何度も拝んでおられます。
救急搬送された病院のベットの上でも
何度も何度も「どうぞ家に帰れますように。」
手を合わせて拝んでおられます。
そのお姿を見ていると
とても辛くて
私は間違ったことをしてしまったのかな?
と悩んでしまいました。
昨年の2月に肺癌と診断された利用者様でした。
本人様には告知せずにご自宅での独居生活でした。
入院11日目の朝、利用者様は旅立たれました。
ずっとずっと思っていること。
訪問介護に携わって月日が流れていくごとに思うこと。
利用者様を愛すれば愛するほど思うこと。
そして利用者様とのお別れを経験すればするほど思うこと。
それは・・・
住みなれたご自宅で最後まで・・・!!
強く強く・・・
思うようになってきた私は10年目の春に突入です。