最近認定調査で病院を訪問することが多い私です。
90歳近いご高齢の方が多いです。
皆さん病院で入院されていらっしゃるのですが、
特に何かの治療をされているわけではなく、
病院に療養目的として入院されている方が多いです。
つまり、退院のメドがたたない方ばかりなのです。
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ある日、病院に調査に伺いました。
第一声、私が自己紹介を終える前に、
「もう!お願いやから早く死なせて!!」
とその方は私に叫ばれました。
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でもこの方はまだマシな方です。
「早く死なせて!」と意志表示できるのです。
お話もできない・お声も発せない・口から食べ物も摂れない・四肢が麻痺して身動きもとれない・・・
でも、胃から管を通されて、嫌でも栄養を入れられる。
そして、その管を抜こうと麻痺で動きにくい手を動かしていたら、
ミトンをはめられて手を拘束・・・
いくら死にたいと
思っても死ぬことも許されない。
そんな方が何人もいらっしゃるのです。
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私は思いました。
長生きが幸せとイコールではないと。
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”長寿国家”
そう言えば、なんだか誇らしげに聞こえますが、
高齢化社会の実態とはこういうものなのか・・・
と、呆気にとられることが最近よくあります。
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本当の意味での”長寿”とは、長生きしてよかったと思えることではないでしょうか。
今病院や施設で時間を過ごされている高齢者の方々のうち、
何パーセントくらいが、「長生きしてよかった」
そう思われているのかなぁ・・・と思わずにいられません。
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医療技術だけが進歩してしまって、死ぬに死ねない。
それは本来あるべき姿ではないような気がします。
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やっぱり私達にできることは、
利用者様が望む在宅生活をとことんまで支えること。
それが利用者様の笑顔につながるのだと思います。