私は以前、利用者様の貴重な戦争体験の記事
をブログに載せました。
それは、訪問時に詳細を伺いメモを取り、
その後何度も電話で確認したり、原稿が出来上がったら
利用者様に読んで頂く等、利用者様と私にとって小さなイベントでした。
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「おかしいところや、抜けているところはないですか?」
の私の問いに、利用者様は
「いいや。ないよ。この通りですよ。」と優しく微笑んで下さいました。
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早速記事を載せる報告をするとにっこり
「はい。宜しくお願いしますね。」
と仰って下さいました。
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しかし、ようやく記事がアップされた矢先、
サービス中のヘルパーさんより急変の知らせが入り
救急搬送を行いました。
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その後何度もお見舞いに伺いました。
その日、いつものように面会が終わり、病室を失礼しようとする私を力なく
じっと見上げられました。
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「大丈夫ですよ!私の元気あげます!!」
と握った手をしっかり握り返し涙されたのが最後でした。
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それから間もなく利用者様はお亡くなりになりました。
私はいつ利用者様とお別れになっても後悔のないような援助を・・・
そう心がけているつもが・・・
後悔ばかりです。
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ああすればよかった。
これもして差し上げたかった・・・
と。
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この利用者様は色々なご病気を抱えておられ最終的には
各臓器を侵された末期がんでした。
お辛いはずなのに、一切弱音を口にされません。
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どなたも自分のことをわかって欲しい「欲」ってあると思うのです。
ただただ自分を分かって欲しい。
病気を知って欲しい・・・。
この辛さを分かって欲しい・・・。
話しを聞いて欲しい・・・。
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しかし弱音を吐くどころかいつも私達を気遣って下さり、
ヘルパーさんへの感謝を口にして下さっていました。
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この利用者様は本当に思いやりのある素晴らしい方で大好きな方でした。
そんな利用者様が初めて熱心に語って下さった戦争のお話を
皆さんに読んで頂けたことだけは唯一自分の中の救いでした。
今まで本当にお世話になりました。
ご冥福を心よりお祈りいたします。