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家族さまの葛藤に想うこと

ある利用者さんがぽつりと仰います。

「嫁さんをあんなとこに入院させてかわいそうな事をしたな…」と。

この方の奥様も私が担当させていただいておりました。

認知症になられた奥様を長年に渡り介護されていました。

認知症は年々悪化し最後は目が離せないような状況でした。

主治医に入院を勧められながらも、最後まで自宅でみたいと頑張っておられたご家族にも限界がきての入院となりました。

 

 

以前も同じような記事を書いた記憶がありますが、私達は在宅生活を応援させていただくためのケアマネなので、利用者さんが入院されるのは不本意ではあります。

 

しかし、ご家族の生活が破たんしてしまっては元も子もありません。

皆生活があります。

いくら家族がいても自分の生活を大きく犠牲にしての介護はどこかで歪みがきますし、第一良い状態で介護できているとは言えないと思います。

 

介護疲れで家族を殺めるというような悲しい事件が後を絶ちません。

私達はそうならないためにも利用者さんが良い状況で在宅生活できるよう最大限の努力をします。

利用者さんはもちろん、ご家族のよき理解者でありたいと願い、終わりの見えない介護に疲れたご家族のはけ口にもなりたいと思っています。

 

時には何があっても他人事で親御さんを大切にされないような方には意見もします。

私に出来る事ならなんだってしたいと思っています。

でも、最後の最後に入院、入所を決められたご家族の意見には何も言わず寄り添います。

どんな想いで決断されたか分かるからです。

 

なので、どうかそれを悔やまないで欲しいと思います。

入院や入所は永遠のお別れじゃないのです。

ご自身の生活が安定すれば穏やかな気持ちになります。

その穏やかな気持ちと表情で会いに行ってさしあげれば、

それが奥様にとって何より幸せなんだと思います。

 

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