先日、とても感動した記事が新聞に載っていましたので
ご紹介させて下さい。
<以下引用>
重い心臓病を患う長野県箕輪町の中学一年生山田倫太郎君(13)が、
「医者になってお兄ちゃんを治す」と言い始めた4歳の弟あてに、
自身の体験をもとにした「患者が望む理想の医者」をつづった。
倫太郎君は、左心室と右心室が分かれていない「フォンタン術後症候群(房室交差)」を抱える。
1万4千人に1人の難病で、手術を重ねたが、今も腸からたんぱくが漏れる合併症で点滴は欠かせない。
2歳の時に不整脈で心肺停止に陥るなど、生死の境をさまよってきた。
免疫力が落ちているため運動や過労は禁物だが、学校には酸素吸入器を付けて通い続ける。
今年初め、弟の恵次郎君が人体図鑑を眺めて「お兄ちゃんを治したい」と言い始めた。
それを聞いた倫太郎君は弟を励まそうと、倫太郎君が思う理想の医者像をパソコンで一気に書き上げた。
倫太郎君の「理想の医者」8カ条
1.患者さんの家族、趣味など、患者さんの生活全体を見て接しよう
2.患者さんは、誰もが自分の受けてる治療や検査などに、不安を抱えている。しっかり、分かりやすく説明してあげよう
3.患者さんは、いつ苦しみだすか分からない。大事なのは、その時に、君が患者さんのために、とっさに体が動かせるかだ
4.入院している患者さんにも、自分の生活がある。検査や治療は出来る限り患者さんの生活に合わせてやるべきだ
5.入院している患者さんにとって、ベッドは我が家のようなものだ。採血や問診に行く時は、人の家に行くような感じで行こう
6.患者や、患者の家族は、手術や検査の結果を心待ちにしている。終わったらすぐに知らせてあげよう
7.患者さんとの関係は、治療が終わればおしまいという訳ではない
8.医師はどんな状況でも諦めてはならない。思わぬ治療法があるかもしれないし、悪い状態は一時的なものかもしれないからだ。医師が絶望的と思っても、患者さんや家族にとっては違うかもしれない
良い医者の心得は全部で8カ条からなる。
それぞれに倫太郎君の体験談が付くらしく、例えば「検査や治療は患者さんに合わせて…」には小5の時の体験記をつづった。
「H先生にエコー検査に呼ばれた。だが、その時H先生は『もうすぐお昼ごはんだね。メニューはうどんだし、のびると美味しくないから倫ちゃんがうどんを食べ終えたらエコーするよ』と言ってくれた」
また「分かりやすく説明して…」には「U 先生は僕が入れるかもしれない心臓ペースメーカーを2種類も持ってきて、僕に説明してくれた。
わざわざ本物を見せて分かりやすく。
僕はU先生のおかげで、機械を入れる不安から抜け出すことができた」
<引用終了>
とありました。
倫太郎君の体験談からは、優しい先生との信頼関係が伺えホッとする反面、きっと辛かった想いも含まれていると思います。
この8カ条には医師だけではなく、ケアマネにも置き換えて考える事ができそうですね。