今日は、興味深いお話を皆様にもご紹介させてください!
NHKプロデューサー、吉田照幸氏の心に響く言葉より…
30代前半までぼくはなんの変哲もない1人の職員でした。
レギュラー番組を淡々とこなす日々でした。
それに満足もしていました。
あるとき、自分の力で番組を企画しなければならなくなりました。
まったく通らず落ち込みました。
それまで、実際にはやってもいないのに、どこかで自分はやればできると思ってました。
はかなく散ったちっぽけで尊大な自信。
退職まで考えました。
そんな八方塞がりの土壇場で「サラリーマンNEO」は生まれました。
NEOをつくる過程は、自分にとっても、局にとっても、それまで前例がないことばかりでした。
すべてがはじめて。
でも、暗中模索を繰り返す中でうまくいくコツに気づきました。
それが、『自分から離れる』ということです。
離れてよいことの1つは、自分の考えに固執しなくなる、つまり、人の声に耳を傾けられるようになる、ことです。
それまで、自分がおもしろいと思ったものしか企画として出していませんでした。
人が通した企画を見て、「なんで人はそれをおもしろいと思うんだろう。自分はちっともおもしろいと思わないのに」と考えていました。
大きな間違いです(だから通らなかったのだと、今は思います)。
新しくてもどんなに斬新でも、人の共感を得られなければ、ただのエゴです。
かといって、ありきたりでは人は喜びません。
共感できる新しさが企画のキモです。
そのためのスタートは、他人の声です。
時代の、声にならない声です。
自分の興味なんてどうでもいいんです。
大事なのは人の声に耳を傾けること。
つまり…、
エゴ=自分から離れることです。
提案も意見も全然通らない、という人は、一度振り返ってみてください。
自分の意見を聞いて欲しい気持ちと同じくらい、人の声を聞いていますか?
NEOではパロディをいっぱいやりました。
「世界の社食から」や「テレビサラリーマン体操」は、特にウケました。
しかし、イマイチうまくいかなかったものもあります。
失敗から学んだことは…
パロディをやるときは、全然関係のない分野にうまいことサラリーマンネタを仕込むと、視聴者は魅きつけられる。
その失敗を糧にしたのが、ぼくの中でも究極の企画「ゆく年くる年」のパロディ「ゆくNEOくるNEO」です。
年末の特番で放送しました。
オリジナルの厳粛な年末の雰囲気をロケで完全再現。
当時食品の偽装表示が問題になっていました。
その関係者達が反省しに集まるお寺、その名も…
『偽装表寺(ぎそうひょうじ)』
ブラックユーモア満載。
最高でした。
すべては試すことからはじまります。
考えていても何もはじまりません。
そのためには、自分から離れているとやりやすいです。
こだわりや、今までの慣習にとらわれず、「これ!」と思ったことをどんどん試せます。
ちょっと視点を変えて自分から離れてみると、解決策が見えてきます。
『発想をカタチにする技術』日本実業出版社
以上が引用でした。
何事も”こだわりすぎない”って大切ですね。
「こうあるべきだ」
「こうでないといけない」
っていう思い込みはあくまで自分の中で自分が決めたもの。
他人を「こうあるべきだ」と縛り付けるのも
絶対良くないと思いますし、
自分に対しても「こうあるべきだ」と厳しすぎると、
いつか息が詰まるかもしれませんね。
”こだわり”
”~あるべき”
はほどほどに。
こういうやり方もありかも!
そういう人もいいかも!
自分にない発想・自分にないものを受け入れて、
これからも柔軟な姿勢でスタッフと関わり、
柔軟な姿勢で会社と向き合っていかなければいけないなぁと
自分を省みました。
介護の現場でも、
ベテランになればなるほど、
”こうあるべき”
”この人にはこう介助すべき!”
というこだわりが出てくるかもしれません。
でも、こだわりもほどほどに。
新人さんの発想や第三者の意見をどんどん取り入れることで、
こだわりが強すぎる時には見えなかったものが、
見えることもあるかもしれませんね。
家庭でも、
「夫はこうあるべきだ」
「こどもはこうあるべきだ」
「妻はこうあるべきだ」
”~べき”こだわりは強く持たない方がいいかもしれませんね。
世の中にはいろんな人がいて、いろんな形があります。
多種多様な考え方を受け入れられるようになれば、
すごく人間の幅が大きくなれる気がします。
そんな、懐の深い人を目指したいなぁ・・・