先日ご逝去されましたアンパンマンの作者やなせたかしさんの
お話が素敵すぎるのでブログに載せさせてください。
”アンパンマンを生んだ、過酷な戦争体験”
行軍したり、泥だらけになって這い回ったりするのは、
一晩寝ればなんとかなる。
ところが飢えはどうしても我慢できない。
食べられないというのはものすごくきついですよ。
飢えれば人肉だって食べようという気持ちになるんだから
仕方がないんで、その辺の野草を煮て食べたりしたんです。
まずいのもあるんだけど、大体は酸っぱいんです。
内地に残っていた銃後の国民の方がよほどつらい目を見ている。
たとえ、戦火に遭わなかったとしても飢えに苦しんでいる
正義のための戦いなんてどこにもないのだ。
正義はある日突然逆転する。
正義は信じがたい。
逆転しない正義とは献身と愛だ。
それも決しておおげさなことではなく、目の前で餓死しそうな人がいるとすれば、
その人に一片のパンを与えること
自分はまったく傷つかないままで、正義を行うことは非常に難しい
正しいことをする場合、必ず報いられるかというと、
そんなことはなくて、逆に傷ついてしまうこともあるんです
ぼくらも非常に弱い
強い人間じゃない。
でも、なにかのときには、やっぱりやってしまう
ヒーローというのは、そういうものだと思います
困っている人、飢えている人に
食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても
「正しいこと」には変わりません。
絶対的な正義なのです
なんのために生まれて何をして生きるのか
これはアンパンマンのテーマソングであり、
ぼくの人生のテーマソングである
生きていることが大切なんです。
今日まで生きてこられたなら、
少しくらい辛くても明日もまた生きられる。
そうやっているうちに次が開けてくるのです。
震災も永遠に続くことはありません
アンパンマンは”世界最弱”のヒーロー
ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、
ジャムおじさんに助けを求める。
でもいざという時には自分の顔をちぎって食べてもらう。
そして戦います。
それは私たちも同じ。
みんな弱いけれど、そうせずにはいられない時もあるのです。
アンパンマンのテーマソングは
「なんのために生まれて、なんのために生きるのか」というのですが、
実はぼくはすいぶん長い間、自分がなんのために生まれたのかよくわからなくて
闇夜の迷路をさまよっていました。
もっと若い時に世に出たかった。
ただし遅く出てきた人というのはいきなりはダメにならない。
こんなことしてていいのかと思っていたことが、
今みんなの役に立ってる。
無駄なことは一つもないですね。
ぼくら夫婦にはこどもがなかった。
妻は病床にアンパンマンのタオルを積み上げて、
看護婦さんや見舞い客に配っていた。
アンパンマンがぼくらの子供だ。
人生の楽しみの中で最高のものは、
やはり人を喜ばせることでしょう。
やなせたかしさんのお子さんである
アンパンマンはこれから先もずっとずっと日本のこどもたちのヒーローであり、
普遍的な正義を日本人の心に刻んでくれることと思います。
やなせたかしさんのご冥福を心よりお祈り申しあげます。