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自分の存在を肯定する武器

以前にも書かせて頂きましたが、

私、ほぼ毎週末、英語の勉強を続けています。

例えば介護の業界においてどれだけベテランさんになっても、

介護を学ぶ気持ちはいつまでも持ち続けることが大切だと、

以前に書かせて頂きました。

 

それと一緒で学生時代からずっと続けていた英語を今でも

勉強し続けることが私には意味のあることなのです。

(完全プライベートで仕事に関係なくすみません・・・)

 

私と一緒に英語を勉強しにきている女性が先日、

大変心に響くスピーチをされました。

その方は私よりかなり年上ですが、明るく素敵な女性です。

英語の教師をされています。

ちなみに、偶然ですが高校・大学の大先輩になります。

 

スピーチの内容は以下の通りです。

(私の覚えている範囲で要約しています。)

 

今日の私のスピーチの課題は、

なぜ私がここに英語を勉強しにきているか、です。

 

子どもの頃から、私は希望に満ち溢れていました。

勉強も運動も出来るほうで、未来は明るいと信じていました。

小中高と、勉強も頑張ってきました。

大学では海外留学し英語の勉強もしました。

その頃もまだ未来は明るいと信じていました。

 

大学を出て、結婚をし、子どもを2人授かりました。

毎日が大変でしたが、幸せな日々でした。

 

でもある日突然その幸せな日々は終わりを告げました。

私に病気が見つかったのです。

免疫機能に問題があり、

長期間入院せざるをえなくなりました。

約1年の入院。

その後10年ほどは入退院を繰返すことになったのです。

 

当時子どもは2歳3歳。

ママと一緒にいたい盛りの子ども達にも会えず、

私はずっと病院で闘病生活です。

 

幸いにも私の姉妹主人の兄弟が近くにいるため、

交替で子ども達をサポートしてくれました。

 

子どもが保育園に入園するにあたり、

ママ友達が可愛い保育園バッグを作ってお見舞いに持ってきてくれました。

 

私は大変感謝しました。

でも、同時にその可愛いバッグを見て、

自分の無力さ、不甲斐なさ、

存在価値のなさ、

にどうしようもなく落ち込み、

希望を失いました。

 

たまに子ども達との面会が許される時、

看護師さんに「お孫さん?」と聞かれました。

 

私は薬の副作用と闘病生活により、

体重は激減し、

見た目も実年齢よりかなり老けてみえたのです。

 

より一層、自分がみじめでたまりませんでした。

世間一般のお母さん達が普通に子ども達にしてあげられることを、

私は何一つしてあげられなかったのです。

 

今でも子ども達には申し訳なかったという気持ちと、

子育てにおいての後悔の念、

自分を責める気持ちに苛まれます。

(お子さんは大学を出てもう1人前になられています。)

 

私は、自分の存在価値を見出せず、

自分を否定ばかりしてきました。

 

でもある日思ったのです。

私が、何か1つでも誇れるものはないのか・・・?

そう考えた時に、”英語”があったのです。

学生時代から英語だけは頑張ってきました。

自分にだけ誇れるもの、それが”英語”だったのです。

逆に言うと私には”英語”しかなかった・・・

 

だから私は今ここに来て、英語の勉強を続けているのです。

 

という内容でした。

普段は大変明るい性格の女性で、

まさかそんな苦しい経験をされてきたなんて夢にも思わなかった私は

彼女のスピーチを聞きながら、当時の苦しさが伝わってきて

涙が止まりませんでした。

 

無力感・絶望感から立ち上がろうとする時に、

何か自分の強み・希望だと思えるものがあることはいいことですね。

 

この方はたまたまそれが”英語”だったのです。

 

自分が誇りに思えるものを持つ

っていうのは素敵な武器だと思います。

 

私達の仕事がら・・・

利用者様にとってのそのような

”存在を肯定する武器”を探して差し上げることが

できたらいいですよね。

 

例えば。。。

”達筆な方”には筆を教わりましょう。

”絵が上手な方”にはデイサービスを華やかに彩る絵を描いて頂きましょう。

”歌が上手な方”には是非是非カラオケ大会で披露して頂きましょう。

”将棋がすっごく強い方”にはスタッフも特訓して頂きましょう。

 

 

では寝たきりの方、麻痺のある方は?

昔得意だったことが、できなくなられた方は?

 

そんな時、もしスタッフがほんの少しの”心の支え”になれたらスタッフは幸せですね。

”あのスタッフ”がいるから今日も頑張ってデイに行こう。

”あのヘルパーさん”が今日も来てくれるから1人でも家で生活続けよう。

”あのデイサービス”に早く戻りたいからさっさと治して退院するねん!

などなど、

利用者様のほんの少しの”支え”になれたら・・・

これほどの介護冥利ってないのかもしれませんね。

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