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オランダへようこそ

先日、気になるニュースがありましたので一部を抜粋してみました。

~日本産科婦人科学会(日産婦、小西郁生理事長)は1日、

東京都内で記者会見を開き、妊婦の血液で胎児がダウン症かどうかほぼ確実にわかる新型の出生前診断について、遺伝の専門家による検査前後のカウンセリングが必須であるとし、複数の医療機関が今月にも始める臨床研究の結果を「注視していきたい」とする声明を発表した。

この検査法は、妊婦の血液中に含まれる胎児のDNAを分析することで診断する。

血液を10ミリリットル採取し、検査会社が分析するだけでできる。

しかし、対応には専門知識が求められ、検査の前後にはカウンセリングが必須。

 一方、これらの検査が広範囲に実施された場合は、人工妊娠中絶の増加など社会に大きな混乱を招く懸念があるとして、

「マススクリーニング(広くふるい分けのために行う検査)としての安易な実施は厳に慎むべきだ」とした。~(以下省略)

 

この問題は今後赤ちゃんを希望する方にとって大きなことですよね。

私なりに思うところもあるのですが、人には様々な考え方や状況があり、

何が間違いで何が正解というのは言えないと思いますのであえて意見は述べません。

 

でも、皆さんに読んでいただきたい文章があったので載せてみました。

【オランダへようこそ】は、1987年、ダウン症児のお母さんであるエミリー・パール・キングスレーさんが書かれた文章です。

【オランダへようこそ】
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私はよく障害を持つ子供を育てるって、どんな感じか聞かれることがあります。
障害児を育てるというユニークな体験をしたことがない人が理解できるように、どんな感じか想像できるようにこんな話をします。

赤ちゃんの誕生を待つことは、すてきな旅行の計画をすることに似ています。
そう、旅行先はイタリア。ガイドブックをどっさり買い込み、現地での素敵な計画を立てます。
ローマのコロッセオ。ミケランジェロのダビデ像。ベニスのゴンドラ。
簡単なイタリア語を覚えるかも知れません。それはどれも、ワクワクすることです。

そして、期待を胸にいっぱいに、数ヶ月の後、待ちに待ったその日がやってきます。
カバンに荷物を詰め込み、さあ出発です。
数時間後、飛行機が着陸します。スチュワーデスがやって来て、告げるのです。
「オランダへようこそ」と。

「オランダですって?」とあなたは驚き聞き返します。
「オランダってどういうこと?私はイタリアへ行くはずだったのよ!これまでずっと私はイタリアを夢見てきたのに!」
しかし、飛行計画が変更になったのです。
オランダへ着陸したのです。
あなたはそこに滞在しなければならないのです。

ここで考えて欲しいのは、あなたたが連れてこられた場所は、疫病や、飢饉や、病気が蔓延する、恐ろしく、ひどく、ゾッとするような所でははないと言うことです。
ただ、そこは、ちょっと違う場所なのです。

だから、あなたは新しいガイドブックを買いに外に出て行かなくちゃいけません。
それから、新しい言葉も覚えなくちゃいけません。
そうすれば、あなたにはこれまで出逢ったことのない人々との出逢うことでしょう。

ちょっと違う場所へ来ただけなのです。
イタリアに比べて、時はゆっくりと過ぎていき、イタリアのような華やかさはありません。
でもしばらくここにいて、深く息を吸いこんで、周りをみわたすと…オランダには風車があることに気がつきます。
チューリップにも気が付きます。
そして、オランダにはレンブラントの絵もあることに気が付くでしょう。

でも、あなたの知人たちは、イタリアに行ったり来たりでせわしなくしていて、皆イタリアでどんなに素敵な時を過ごしてきたかを自慢するのです。
そして、あなたはこの先もずっと「そうなの、イタリアは私も行くはずだった場所なの。私が計画していたのはイタリア行きだったの。」と、言い続けるでしょう。

イタリアへ行けなかった痛みは決して消えることのないものでしょう。
なぜなら、失った夢はあまりにも大きすぎるからです。

しかし、イタリアに行けなかったことをこの先もずっと嘆いていたら、オランダのすばらしさや、美しさを心から楽しむことは決してできないでしょう。

エミリー・パール・キングスレー著

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