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若い日の教訓

ある冊子にちょっと面白い記事があったのでご紹介したいと思います。

 

大学の頃神戸に住んでいた。

キャンパスは六甲山系の中腹にあり、すぐそばの学生アパートの西側には六甲川が流れ、

窓から神戸港が一望できた。

入学後暫くは美しい夜景を眺めながら「良い所にきたなぁ」としみじみ思った。

しかし景色では腹がふくれず残念ながらすぐに飽いてしまった。

 

当時はコンビニも無く食事つきの下宿だったので部屋に冷蔵庫は無かった。

また環境が良いだけに周辺に飲食店が少なく下町まで降りていけば深夜営業の店があるのだが帰りの坂道を考えるとそれも億劫だった。

こんなとき車があったらなぁ…と玄米茶の玄米をポリポリとかじりながら思ったこともある。

だが、家からの仕送りはなく奨学金とバイトで生活するのがやっとという学生の身分では車など持てるはずもなく朝まで腹をすかしているのが常だった。

 

卒業後暫くして大学の後輩とそんな思い出話をしていると「実はぼくの兄貴がね」と彼が教えてくれた話が忘れられない。

 

彼のお兄さんは他県の大学に通っていたのだが、あるとき車を安く手に入れる機会を得た。

そこでお兄さんは一生懸命バイトをして毎月3万円を捻出する目処がついたので資金計画を説明した上で両親の許可を得ようとしたのである。

ところが「その月から兄貴は仕送りを3万円減らされましてねぇ…可愛そうに、これがホントのやぶへびですね」と、後輩は全然可愛そうな顔ではなく嬉しそうに話してくれた。

気の毒な話だが実に痛快であった。

彼のお兄さんは身にしみて貴重な教訓を学んだに違いない。

この経験がどれほど後の人生に役立つことか想像していただきたい。

 

こういう家庭教育ができる親が年々減ってきていますね。

できればマネをしてみたいが、これが簡単なようでなかなか難しいと思いませんか。

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