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苦し紛れの一言

先日、また大腸検査をするはめになってしまいました。

今回は大きな病院での検査で検査当日6人のチームで2リットルの下剤と戦っていました。

そのチーム内の1人のおばあさん。

どうやら軽度の認知症で短期記憶が困難なようです。

看護師さんが一通り説明下さるも理解されたか怪しい感じです。

その様子を見かねた隣の女性が下剤を注いでは促すなどお世話をされ始めました。

 

しかしすぐに下剤のノルマを忘れ少し飲んでは「はい。どうもご馳走様。」と両手を合わせる始末。

 その隣の方は大量の下剤を飲む事実を伝えない方が良いと判断され、 おばあさんがよそ見されてる間にこっそり注ぎ「さぁ一緒に飲みましょう」と優しく促されています。

暫くチームみんなでフォローしていたのですが1人、2人と検査の為控え室から出て行かれます。

とうとう私とそのおばあさんだけになってしまいました。

 

二人とも下剤を増量された居残りチームです。

見よう見まねでこっそり下剤を注いでも少し飲まれては「はい。ご馳走様」と堂々巡りです。

おばあさんは都合3リットルの下剤が必要でまだ1リットル以上残っています。

 このペースじゃ絶対に飲み終わりません。

 

 おまけに朝の八時半から既に6時間近く経っており、あまり遅くなると当日の検査は出来なくなってしまうそうです。

 「この方が検査できるかは私にかかっている。どうしよう…。

かと言って高齢者に大量の下剤が辛いのは分かっています。

私は最後、苦し紛れに一声掛けました。

するとどうでしょう!

そのおばあさんは咽の渇きを潤す勢いでゴクゴク下剤を飲み始めました。

 

 今日初めて自分で下剤をコップに注ぎ何杯も立て続けに、そして全て飲み干されたのです。

「わぁー良かったですね~♪」

二人で拍手喝采の最中に私の検査の順番になり控え室を後にしました。

何気なく掛けた一言。

気になりませんか?

「〇〇さん、これ全部飲んだら検査して帰れるそうですよ!」

そうです。

現実を曖昧にせず本当のことを伝えただけです。

皆さんの優しさがアダになってしまったのかもしれませんね。(笑)

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