3月11日東北地震から11年。
朝からニュースは地震の事ばかりで何かソワソワするなと感じた始まりでした。
いつもと変わらず、朝からご利用者様にお迎えの時間をご連絡します。
元気に応じて下さいました…が、スタッフがお迎えに行くと反応なく玄関も閉まっています。
事務所から連絡入れてもらい数回目でやっと電話に出て下さるも、ベッドから転倒され起き上がれず這ってなんとか電話に出れたとの事。
送迎から戻った私はその報告を受けすぐにご利用者様へ電話し、なかなか出られずやっと繋がり状況確認しました。
「○○さん、大丈夫ですか?今どんな事になってます?」
「ベッドから転んでやっと床に座れた。電話鳴ってたけどなかなか取れんかった。そんで、おしっこ漏らしてしもた。」
「怪我してないですか?」
「うん、大丈夫。」
ご家族様に連絡するも、今日はお子様の卒業式で連絡が取れずでした。
とにかく何とかして玄関の鍵を開けなければ中に入れません。
ご利用者様にお願いするしかありませんでした。
「○○さん、ゆっくりでいいので玄関まで来れますか?無理に立たなくて座りながらお尻で動けますか?」
「うん、お尻で動けるよ。やってみる」
「私今から行くので頑張って下さい!」
と、やりとりをしてご自宅に向かいました。
ご自宅に到着しましたが、玄関は閉まったまま。
ドアの新聞受けを開け耳を澄ますと近くにいらっしゃるのがわかり
「○○さん、荒木です。大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。お尻で動いてる」
「そのままゆっくり玄関まで来れますか?」
何も言わずお尻で床を擦ってる音が聞こえます。
そして玄関まで来られました!
「手を伸ばして鍵開けれますか?届きますか?」
「やってみる」
うっ、よっ、よっ、うっ…と声を出しながら手を伸ばしておられカチャカチャと音もしました。
そして!
ガチャっと大きな音がして鍵が開きました!
ドアを開けるとバッチ姿のご利用者様。
私を見てニコっと笑われました。
その瞬間、抱きしめて「よかったー、よかったー、頑張った!頑張ったね!怖かったね!もう大丈夫!大丈夫!ありがとう!」と言葉もめちゃくちゃにとにかく抱きしめました。
するとご利用者様も大号泣で泣かれ2人で泣きました。
1人で不安だったと思います。
怖かったと思います。
本当に本当に頑張って下さいました。
部屋から玄関まで失禁の跡がありました。
落ち着かれ身体を抱え起き上がり立位、歩行、怪我は幸い大丈夫でした。
トイレに誘導し濡れた衣類を着替えタオルで清拭し、水分補給、濡れた床やマットを拭き、
洗濯機回し…と最低限の出来る事はしました。
無事に愛の家にご来所され、入浴された後は疲れもありゆっくり眠られていました。
眠られてるお顔を見てホッとしました。
その後、ご家族様と連絡がつき報告させて頂き洗濯や片付けも対応して下さいました。
そして、今後の対策についてもお話させて頂きました。
今回だけの事ではなく、今までも様々な事がありましたがその度に私が思うのは、
訪問介護を経験していて良かったという事です。
送迎時、訪問時の急な対応に臨機応変に動けているのは(めちゃめちゃ自分を上げてますが😅)
経験が生かされてると思っています。
もちろん愛101の訪問介護で経験し学びました。
なるべくなら朝からこんな事は体験したくはないですが、もしもの時は対応します!
安心してご来所して頂く為に。