こんにちは!イチハラです。
昨日本屋さんで蟹工船が平積みにされているのでびっくりしました。
調べると、今すごいブームなんですね。
松田龍平さん主演で映画化もされるんですね。
80年前の小説が!
蟹工船は、プロレタリア文学代表作の一つで、高校時代の
現代社会の先生のおかげで今でも鮮明に記憶に残っています。
内容は、蟹工船というすごく劣悪で不衛生な船で、労働者たちが
強制労働を強いられます。
船の監督や幹部らは、非情で冷酷です。
あまりのやり方の惨さに、労働者たちは次第に団結し、ストライキを起こします。
一人一人の労働者は無力でも、団結し心一つになった時には、支配権力に
打ち勝つほどの強さになる、という話です。
蟹工船の作者、小林多喜二さんは思想家として投獄され、
警察に拷問の上殺害されています。
当時は、思想家への弾圧がすごかったんですね。
現代社会の先生は、一番怖いのは”政治が国民から離れること”
だとおっしゃっていました。
「それを君たちに絶対に覚えていて欲しいから、僕はあえてこの写真を君たちに見せる。」
といって、拷問された写真を数枚見せられました。
体全体、特に下半身が血まみれで、皮膚も破れていました。
睾丸に10数箇所釘を打たれて、指は反対に曲がって・・・。
とても直視できるものじゃなかったんです。
まだ白黒の写真でよかった・・・、と思ったものです。
当時は「なんてことするんだ、この先生」と思ったものですが、
今思えば必要なことだったのかもしれないですね。
政治的弾圧を受け、言いたいことも言えず、奴隷のように働かされた私達の先祖の
犠牲があって、今の先進国日本が生まれたんですよね。
それを忘れないように、先生は私達に写真を見せたんですね。
今、蟹工船がブームなのは、ワーキングプアと重ね合わせて、若者が
共感できるから・・・と言われているようです。
当時の凄まじい時代情勢と現代の若者を重ね合わせて共感・・・
っていうのは少し違う気がするのですが、それでも昔の文学に触れる機会が
今の若い人達にできたことは良かったのかもしれないですね。