多臓器移植手術を受けた各務宗太郎くんのテレビを拝見しました。
生まれながらにして、体の消化器官に異常があった彼は、
赤ちゃんのころからミルクを飲めず、食べることができなかったそうです。
成長して食べることに興味が出てきた宗太郎君は、
「あ~ん」って、食べ物をお母さんのお口に入れて
お母さんが宗太郎くんの代わりに食べ物を食べることで食欲を満たしていたそうです。
最初はお母さんは胸が詰まって飲み込める状況ではなかった。
でも、宗太郎くんの代わりに”私が食べなきゃ!”と宗太郎くんに
「あ~ん」してもらうのが習慣になったそうです。
宗太郎くんが生きるためは臓器移植しかない。
1億以上のお金を全国から寄付で募ったそうです。
アメリカでの移植手術が行われました。
臓器を提供してくれたお友達のためにも、
宗太郎くんは必死で生きようとした。
9歳の男の子。
ただ”生きたい”と願った。
でもその願いはかなわなかった。
合併症のため宗太郎くんは9年間の短い人生に終止符を打たざるを得なかった。
息を引き取る前、宗太郎くんはお母さんに消えるような声で
「ママ、ありがとう ありがとう」
2回言ったそうです。
お母さんは、
「2回目の宗太郎の”ありがとう”は
臓器を提供してくれた方、
寄付してくださった方、
医療関係者、
自分が生きることを支えて下さった
すべての方への”ありがとう”だと思います。」
そうおっしゃっていました。
「あぁ・・・この世に、あって当たり前のものなんてないんだ・・・」
涙で顔がぐしゃぐしゃになりながら私はそう思いました。
手も足も、
目も耳も、
考える頭脳も、
見えることも
話せることも
聞けることも
食べられることも
触れられることも
笑えることも
泣けることも
仕事も
お金も
時間も
この世に存在していること自体も
これぜ~んぶ、あって当たり前じゃないんですね。
普段どうしても忘れてしまいます。
あって当たり前じゃないから・・・
だから・・!!
ある人はない人より有意義に使わないとダメなんだと思います。
宗太郎くんは私たちにそう教えてくれている気がします。