この仕事をさせて頂き、辛いことの一つに、
在宅生活が困難になった利用者さまの今後のご相談があります。
(つまり、入所・入院のご相談です。)
あっさり割り切って、入所・入院を切り出される家族さま。
そりゃ、私だって人間です。
色々な家族さまのお考えに納得いかない時もあります。
しかし、24時間365日関わって下さっている家族さまにしか
わからない苦悩もたくさんお有りだと思います。
そこは、理性をもって、ご相談にあたります。
(利用者さま本位は理想ですが、生活能力の低い利用者さまは、
残念ながら家族さまの結論が全てとなってしまうのが現実です。)
かたや、入所・入院を検討しつつも、
最後の最後まであらゆる可能性を模索し続ける家族さま。
それは、素晴らしいことですが、親御様を思うあまりに、
ご自身の生活や家庭を犠牲にしようとされる家族さまもいらっしゃいます。
以前こんなケースがありました。
単身赴任の夫の代わりに家庭を守りながらも、独居の実のお母様を介護されている娘さん。
身体的な疾患は特にないのですが、認知症状が顕著で要介護4
(介護に携わった方なら、認知症面での要介護4がどれほどかご理解頂けると思います。)
独居が著しく困難になってきている方です。
娘さんの熱心な介護に加え、うちのスタッフもあり得ないくらい
熱い想いでフォローしてくれていたのですが、正直もう限界に近づいていました・・・。
その娘さんから「うちに母を引き取ることは難しいでしょうか・・・」とのご相談が。
本当に介護に熱心な娘さまで、お気持ちが分かるゆえに一瞬戸惑いました。
色々考えましたが、同居は賛成しがたい旨をお伝えしました。
顕著な認知症状が現れてきている状況でお母様を引き取られても、
きっとお互いが辛い想いをされるのではないか・・と考えました。
それなら、娘さんに、ご自身のご家庭を守りながら、
入院や入所されたお母様に精一杯尽くして差し上げるのも愛情ではないかな、と。
私がお母様の立場なら、可愛い娘が夫や子どもに気を使いながら
自分の世話をしてくれていることを少しも嬉しく思わないのでは・・・とも考えました。
私さえいなければ・・・と逆にお世話になったことを後悔されるかもしれません・・。
1番幸せでいて欲しい娘さんが、1番心配かけたくない娘さんが、
終わりの見えない介護に疲れ、日に日に表情を失ってゆく・・・。
悲しすぎます。
私思います。
親御様の幸せは全てを犠牲にして介護をしてくれることではなく
可愛い子ども達が、幸せで元気に暮らしてくれることじゃないかなって。
(だからといって、今まで育てて下さった親御様を粗末に扱うなんて、
もってのほかですよ!!)
なんていうのか、バランス良く・・・というか、
今まで精一杯頑張られた家族様には、「もう十分ですよ・・・」ということを
お伝えしたかったんです。
本当に、頑張って介護された家族さま・・・
満身創痍で身も心も限界に達していらっしゃいました。
1番身近にいる私たちが一番良くわかっています。
本当に長い間・・・お疲れ様でした。