粗探し。
そんな気持ちを少なからずも抱きつつ、
母の姉にあたる叔母の入所先に面会に行きました。
遠方のためなかなか会う事が出来ないのですが、昨年末に会ったのは入院先の病院でした。
叔母の旦那さんも体調が思わしくなく、認知症が進行してきた叔母の面倒みられないとの事で、病院から自宅に戻る事なく特養に入所したと報告を受けていました。
まだ若い叔母の入所にショックを受けました。
母も私も介護に携わった経験があるので、叔母の終の棲家がどんな環境で、どんな生活しているのか、叔母が悪い環境におかれていないか気になって仕方なかったのです。
また施設の方には申し訳ないのですが、最近目を覆いたくなるような虐待施設もあるので尚更そんな気持ちが強かったかもしれません。
まずスタッフさんに面会をお願いすると、今おやつを召し上がり衣類を汚してしまわれたので更衣後にご案内しますとの事でした。
この心使いが嬉しいなと思いました。面会可能な時間帯に頭髪が乱れていたり、衣類が汚れていたり、目やにがついていたら、どれほど良い介護を提供していると言われてもそれは違うと思っています。
暫くして車いすで案内された叔母はにっこり笑い「来てくれたん」と喜んでくれました。
幸い、叔母に変なアザや怪我もなく、清潔も保たれていました。
何より表情が良く施設での対応が手に取るように分かりました。
良かった。
この施設は良い介護を提供してくれているようで本当に良かった。
安心しました。
良かったはずなのに涙がこみあげてきました。
一緒に行った母も泣いていました。
叔母は母を含む妹や弟の面倒をよくみていました。
祖母が亡くなってからは、叔母の家が実家のようなものでした。
叔母の家に行くといつも「お帰り!」と迎えてくれました。
理由あって自分の娘と一緒に生活出来なかったため、私を含めた姪や甥にも本当によくしてくれました。
可愛がってくれたというより、親のように躾けられたと言った方が正しいです。
おてんばで行儀が悪かった私はよく怒られましたが大好きな叔母でした。
つい最近まで事あるごとに親戚中が叔母の家に集まり、わいわいと賑やかに過ごしたものです。
田舎の家は我が家と違ってとても広いので、沢山ある部屋じゅうに布団を敷き詰める光景が珍しく、嬉しくて家中を走り回った子どもの頃を思い出します。
そんな叔母が、そんな面倒見がよく働き者の叔母が、家にも帰れなくなった叔母の姿が悲しいのです。
ここが何処かも分からず「今日は泊まっていき」という叔母の気持ちが嬉しくもあり悲しいのです。
帰ると告げると子どものように拗ねる叔母を置いて帰るのが辛いのです。
いくら施設の人が良くしてくれても、表情が良くても、虐待がなくても、綺麗にしてもらっていても家族の気持ちはこんなに辛く無力感でいっぱいになるのです。
私もケアマネとして利用者様の施設入所や入院を経験しました。
その時のご家族のこんな想いに寄り添ってこられたかなと思いました。
この気持ち、この言いようのない空しい気持ち、寂しく辛い気持ちを絶対に忘れないようにしようと思いました。